ベルゲン通信 |
2004 1月号
平成15年12月22日発行
千葉県市川市出身の写真家「星野道夫」さんがテレビ取材中にヒグマの事故で亡くなってから7年。「おかえりなさい、ふるさと市川へ」という副題がついた写真展『星野道夫の宇宙』を見てきました。アラスカの雄大なそれでいて繊細な自然と、そこに住む野生動物たちのまるで語りかけてくるような生き生きとした姿を切り取った写真の数々は、見ている人の心を穏やかに包み込みます。世界中にいまだにファンが多いことにもうなずけます。
ところで、彼が小学校の卒業文集の寄せ書きに「浅き川も深く渡れ」と記していたことを今回初めて知りました。この言葉が何かからの引用なのかそれとも彼自身の言葉なのかは知りませんが、ちょっと驚きました。12歳でそこまで含蓄のある言葉を残せるなんて…と。しかし、後で考えると「この年ならこれくらいのことしか考えられないだろう」と私が勝手に枠をはめていただけだと気付きました。この塾でも、小学校高学年のみなさんの考える力の鋭さには時折びっくりすることがあります。また中学3年ともなれば、受験に向けて練習している小論文で素晴らしい文章を書けている人が何人もいます。私も含めて周りの人たちはその力を引き出す機会を増やすことだけを手助けしていけばいいのかもしれません。
ある写真のそばに添えられていた文章をそのまま引用します。
「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって…その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」
「新年の抱負」なんて今まであまり表したことはないのですが、2004年の目標は「変わってゆける自分」に近づくことでしょうか。そしてまた、みなさん一人ひとりが変わってゆくことを見守ることができたなら、ステキな1年になりそうです。ホームへもどる