2007年 9月号
頑固に省力化する人たち
8月最後の土日に信州高遠へ出かけてきました。目的は近くの千代田湖に手作りイカダを浮かべてレースをすること。物好きお父さんグループがタイヤチューブやベニヤ板を調達してきて湖畔で組み立てます。オールまで手作りの4人乗りイカダは湖面を予想以上にすいすい進みました。子供たちはもちろん大喜びですが、結局トムソーヤー気分を一番楽しんでいたのはお父さんたちでした。
さて今回は良い頑固さと悪い頑固さの話をします。実はここ数年、夏期講習の恒例として中3基礎数学の最初の授業に「50問チェックテスト」を実施しています。主に中1・中2の範囲の「これだけは身に付けておいてほしい」という問題を解いてもらい、各自ができなかった問題の類題プリントをそれぞれに宿題として渡しています。正答率の変化も分析していますが、答案そのものを見ていて毎年共通して感じる問題点があります。『見た瞬間に最もラクそうな方法に飛びついたために間違えてしまっている答案』や『手順を追うことをせずにいきなり答を導きだそうとして失敗している答案』です。例えば分数の混じった一次方程式を解くのにも @各項の分母の最小公倍数を両辺にかける⇒A約分する⇒B符号を変えて移項する⇒CXの値を求める という手順を踏まなければ解けません。ところがそれをどこかの手順を省いて解こうとする人がいるのです。そして悪いことにそういう人は“頑固に”省力化の方針をつらぬくため、同じような間違いをあちこちで繰り返しているのです。思い当たる原因のひとつは小学校低学年の算数の時には通用した“直感的に数字を入れ替えるだけで正解にたどりつけた経験”を引きずっていることです。その証拠に「答が分数になると不安」だとつぶやく人がいます。それってまだ分数を習っていない小学生の常識のままではないですか?
自分たちの楽しみで作るイカダなどは多少アバウトでもかまいませんが、社会人としての仕事には手抜きは通用しません。「たったボルト1本の取り付け手順を守らなかった」だけで飛行機まるごと炎上という大事故になるのです。将来の人災を防ぐのはキミたち自身なのだよ! ホームにもどる