ベルゲン通信 5月号
クールの基準
先日、駅の階段を駆け降りてくるお母さんの 後からチュッパチャプスを口にくわえながら追いかけている小さい子どもを見て「あぶないな」と思いました。その後、中学男子の塾生がくわえながら塾に入っ てきたので「なんだ…?行儀悪いな!」と言うと「これが今、友達のあいだではカッコイイんだよ」と反論されてしまいました。
日本にいる外国人から見て日本文化の何が クールかノットクールかを論じ合うNHKのテレビ番組があります。“クール”=カッコイイの基準は お国柄や時代性や文化によって様々だということがとてもおもしろいのですが、そこに準拠集団(レファレンスグループ)という社会心理学の考え方を加えると もっと説明がつきやすくなります。人が何かを判断する時にはそれまでの経験や知識をもとにしますが、その判断基準に影響を与えているのはその人が属してい るいくつかの小集団で、家族であったり、仲の良い友達だったり、部活の仲間だったりします。その中でも心理的な拠りどころとしているグループを準拠集団と 呼びます。小学校の高学年から中高生にかけてはこれが結構くるくる変わってゆく時期です。それにつれてクールの基準も変化するのですが、集団のKYを気にしながら過ごす日本の現状はちょっと歪んでいないでしょうか。なんとなく違うと感じていても「仲間 の目があり引くに引けなくなった」ということもあるのでは…。フィンランドの教育レポートでは「論理的な説明ができること」が「スポーツが得意なこと」と 同じくらいにクールなことだという、ある意味まっとうな感覚を子供たちが共有しているそうです。日本の中の小さな集団に引きずられてばかりでなく、ちょっ と視点を変えてみるだけで気がつくこともあるはずです。ましてや世界に目を向けてみれば様々な価値基準があるのです。
この塾には親でも学校の先生でもない変な大 人たちがいて、学校も学年も違う先輩たちもいて、いろんなことを勝手に相談できる場があります。ひょっとしたら気持ちが楽になったり、違う発想が出てきた りするかもしれませんよ。 ホームにもどる