ベルゲン通信 

2008年7月号

ウィキペディアと辞書

ちょっと変わった名前のホニュウ類の化石に ついて「いったいどんな姿形だったの?」と中学生から質問されました。理科資料集にも載っていなかったのですが、すかさず高校生が携帯電話をネットにつな ぎ、その生物の再現イラストの画像と説明文を見せてくれました。ネット上の辞書がここまで進化しているとは、正直ちょっと驚きました。

パソコン上のフリー百科辞典として知られるWikipedia(ウィキペディア)が6月 時点でついに50万項目を超えています。執筆者が多数のボランティアであることがどんどん項目を増 やしていける原動力であり、出版物ではとても追いつかない速報性が魅力です。その一方、内容の信頼性を疑う声もよく耳にします。しかし何かを調べるきっか けとしてはとても便利なため私もよく利用させてもらっています。そして信憑性を確認したい場合は、他の資料にも当たってみることにしています。

さてその正反対の存在が、最新版が出たばか りの広辞苑です。もともとは新村出さんがたった一人で編集した日本で最も信頼されている百科事典。塾生の中にも「調べた気がする」といって国語辞典ではな く、わざわざこの重い広辞苑を引きたがる小学生がいます。

実は、聞いたことがあってもぼんやりとしか 意味がわからないモヤモヤ感に対して、「ああ、こういう意味なのか。」という“心をスッキリさせてくれる役目”が辞書にはあるのです。そういう経験を早い うちから重ねていけば言葉や知識が豊かになるだけでなく、いつも“クリアな気持ち”でいられるはずです。

ところで、家に広辞苑が1冊あれば足りると いうことではありません。本人用のその年齢に合った紙の辞書を与えてあげてください。電子辞書も便利ですが関連する言葉にもパッと目がいく一覧性がなく、 打ち込み直しのもどかしさもあります。紙の辞書だけが持っている、アンダーラインを引いても書き込みをしても付箋をつけてもいいという“何をしてもいい自 分のもの感”には換えられません!   ホームにもどる